こんにちは、ことはです。
今日は、2026年7月に読んだ本の中から、特に印象に残った3冊をまとめてみようと思います。
今回読んだのは、
『架空犯』東野圭吾
『黄色い家』川上未映子
『イン・ザ・メガチャーチ』朝井リョウ
の3冊。
ミステリー、クライム・サスペンス、そして「推し活」を題材にした小説と、ジャンルはバラバラ。
でも振り返ってみると、どの本も「人はなぜその道を選ぶのか」ということを考えさせられる本でした。
※ここから少し作品の内容に触れています。
『架空犯』東野圭吾|2,000人待ちで、やっと読めた一冊
図書館で予約してから、なんと2,000人待ち。
ようやく順番が回ってきた『架空犯』です。
これだけ待ったので、手元に来たときはかなりワクワクしました。
私は『白鳥とコウモリ』も読んでいて、『架空犯』には同じ刑事が登場します。ただし、事件そのものが続いているわけではなく、それぞれ独立した物語です。
読んでいて「『白鳥とコウモリ』と似ているな」と感じたのが、本当に些細なことをきっかけに、少しずつ事件の真相へ近づいていくところ。
そして、目の前の事件だけではなく、何十年も前の出来事までさかのぼっていきます。
「そんな昔のことが、ここにつながるの?」
と思いながら読み進め、過去と現在が一本につながっていく。
そのスケールの大きさが面白く、東野圭吾作品らしい読み応えを感じました。
ただ、この本について一番強く記憶に残っているのは、実は物語の内容ではありません。
『架空犯』を読んでいる最中に、東野圭吾さんの訃報を知ったことです。
ニュースを見たときは、本当にショックでした。
わが家では、本好きというわけではない夫も「東野圭吾さんの本は読みやすい」と読んでいたくらい、身近な作家さんでした。
「もう新しい作品を読むことができないんだ」
と思うと、寂しい。
正直、『架空犯』の感想を思い返そうとしても、あのニュースを知ったときのことが一緒によみがえってきます。
本の感想とは少し違うかもしれません。
でも、どんなときにその本を読んでいたのかも含めて読書の記憶になるんだなと思いました。
私にとって、忘れられない一冊になりました。
『黄色い家』川上未映子|「普通に生きる」って普通のことじゃない
次は川上未映子さんの『黄色い家』。
この本は、とにかくいろいろなことを考えながら読みました。作品自体も「人はなぜ罪を犯すのか」を大きなテーマとして描いています。
まず、主人公の幼少期。
私は母親のだらしなさや無責任さにイライラしてしまい、正直、かなり嫌悪感を持ちながら読みました。
だから黄美子さんと出会い、その環境から連れ出してもらったときには、
「よかった。救われた」
と思ったんです。
でも、読み進めるうちに、本当にそれが「救い」だったのか分からなくなりました。
結局、主人公が生きていくために選んだのは水商売。
そして、その道が絶たれると、今度は犯罪に手を染めてお金を得るようになります。
ここで印象的だったのが、主人公と母親のお金との向き合い方でした。
母親は、人に依存してお金を工面する。
主人公は、母親のように誰かに依存して生きようとはしない。
一見すると、まったく違います。
それでも主人公は、生きるためのお金を得るために犯罪へ向かっていく。
方法は違っても、二人とも「お金」に追い詰められているように見えました。
そして、お金への執着が強くなっていく主人公と、一緒に暮らす仲間たちとの心の距離が少しずつ離れていく様子も、読んでいてとてもむなしかったです。
普通に働いて。
普通にお金を稼いで。
普通に暮らす。
当たり前に見えるけれど、それができる環境にいること自体が、実は当たり前ではないのかもしれません。
この本を読み終えて、一番残ったのは、
「普通に生きるって、普通のことじゃない」
ということでした。
今回の3冊の中で、一番読み終わったあとも考え続けた本かもしれません。
『イン・ザ・メガチャーチ』朝井リョウ|「視野を狭める」という感覚
最後は朝井リョウさんの『イン・ザ・メガチャーチ』。
この本を読む前、少し気になっていたことがありました。
私には「推し」がいません。
だから、推し活をする人たちを描いた作品を読んでも、あまり共感できないんじゃないかなと思っていました。
でも、実際に読んでみると逆でした。
自分が推し活をしていないからこそ、人が少しずつその世界にハマっていく様子を少し離れたところから見ることができて、それがものすごくリアルに感じられました。
中でも私にとって新鮮だったのが、
「視野を狭めていく」
という感覚です。
子どもの頃から、
「いろいろなものを見なさい」
「視野を広げなさい」
と、事あるごとに言われてきたように思います。
だから私は、視野は広げるものだと思っていました。
でも、自分が好きなもの、自分が安心できるものに意識を集中させて、あえて見える世界を狭くしていく。
それによって心地よく生きられることもある。
その考え方は、私の中にはなかったものでした。
「推しがいないから分からない本」ではなく、推しがいないからこそ面白く読めた本だったと思います。
7月に読んだ3冊を振り返って
こうして3冊を振り返ってみると、まったく違う物語なのに、どこか共通しているものがありました。
人は、どうしてその場所にたどり着くのか。
どうして、その人やその世界にのめり込んでいくのか。
どうして、ある選択をするのか。
本人の性格だけではなく、それまで生きてきた環境や、人との出会い、ほんの小さな出来事が積み重なって、今につながっている。
そんなことを考えた3冊でした。
本を読むと、そのときには自分の中になかった考え方に出会えるのが面白い。
そして時間がたって内容を忘れてしまっても、
「あの本を読んだとき、こんなことを考えたな」
という記憶は残っていく気がします。
これからも、読んだ本と、そのとき自分が感じたことを少しずつ残していきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
ことは

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